新種のサンショウウオを日本初展示!
炎のような赤い斑紋をもつサンショウウオ
2022年2月に新種記載された、ホムラハコネサンショウウオ Onychodactylus pyrrhonotus を展示しました。
和名の「ホムラ」は、炎のような背面の赤い斑紋からつけられており、学名の種小名「pyrrhonotus」も火の色の背中を意味します。
これまで岐阜県内での発見例はありませんでしたが、今年2月に発表された新種記載論文で西濃地方の1か所に生息していることが初めて報告されました。
身近な自然や生き物についても、まだまだ新しい発見があるかもしれません。お子様たちの目に触れる機会も多い夏休み、そんなワクワクする気持ちを感じてもらえますと幸いです。
今後の当館の取り組みについて
現在、研究者(岐阜県立大垣北高校教諭 高木雅紀氏、岐阜大学地域科学部教授 向井貴彦氏、国立科学博物館研究員 吉川夏彦氏)や当館職員が共同研究として分布調査などを実施しています。
本種はこれまで同種と考えられてきたハコネサンショウウオと同所的に生息している場所も多いですが、どのような仕組みで種の交雑を避けることができているのかなど、よくわかっていません。今後は本種やハコネサンショウウオの飼育下繁殖に取り組み、両種の繁殖生態を詳しく調べることで新たな知見が得られるものと考えています。
【ホムラハコネサンショウウオとは】
学名:Onychodactylus pyrrhonotus
全長:13~19cm
本州中部に広く分布する小型のサンショウウオ。先行研究により、ハコネサンショウウオ「近畿型」と呼ばれる未記載種として存在することが知られていました。2022年2月に遺伝子解析および外部形態の比較に基づいて新種記載されました。また、岐阜県にも生息していることが初めて報告されました。
【ハコネサンショウウオ属とは】
山地の渓流やその周辺に生息する小型サンショウウオのグループ。四国・中国地方から東北地方に分布し、日本ではホムラハコネサンショウウオを含む7種が知られています。